なぜザトウクジラとアメリカグマは絶滅危機を逃れ、数が増えているのか?

2021年8月 8日

かつて、動物にとって体が「大きくなる」ことは素晴らしい生存戦略でした。

そして、それを手に入れた巨大な動物たちは、捕食されることがなくなりました。

しかし、そこへ現れた人間は、頭脳と食欲を持ち、大きな動物を狩るために、その大きな動物が生きていくために必要な資源(食料や環境)を少しずつ破壊してしまったのです。

現在、グリプトドンをはじめ、地上性ナマケモノ、ジャイアントビーバー、ダエオドンなど、地球上の大型動物のほとんどが絶滅し、サイやゴリラ、パンダといった絶滅していない大型動物も大きな問題を抱えています。

しかし、例外もあります。

アメリカグマとザトウクジラです。

彼らの個体数は、2つの強力な戦略によって回復しています。

今回は、地球上の大型動物が絶滅の危機に瀕するなか、アメリカグマとザトウクジラだけは個体数を増やしている理由について紹介します。

絶滅危機を逃れた理由1「繁殖の効率化」

1つ目は、繁殖の効率化です。

ザトウクジラは、他のほとんどの哺乳類ができない特徴として、授乳中に妊娠することができます。

その結果、ザトウクジラは一生の間に他のクジラよりもはるかに多くの子供を産むことができるのです。

また、アメリカグマは、他のクマよりも若くして子供を産み、子供の数も多いのです。
その結果、森を支配することができました。

2.食生活の多様性で個体数を増やしている

もちろん、子作りには犠牲を伴います。

例えば、ザトウクジラの赤ちゃんは、1日に何十万キロカロリーものカロリーを必要とします。

しかし、ザトウクジラやアメリカグマは、人間が変えてしまった生きにくい生息地で莫大なエネルギーを満たすために、その食生活に(エネルギー源)に多様性を持たせています。

何年もかけて人間のせいで、クジラの多くが食べているオキアミの個体数が減少しています。

そのため、人間の活動によって減少していない別の獲物を狩るために、グループで協力するようになりました。

バブルネットフィーディングと呼ばれ、仲間同士で円を描くように泳ぎながら泡を吐き、獲物を取り囲む狩りは有名です。

また、アメリカグマは、同種の動物に比べて食べ物にうるさいことで知られていますが、過去100年の間にさらに多くのものを食べるようになりました。

現在のアメリカグマは、果実、草や種子、昆虫、魚、動物(死骸も含む)などなんでも食べ、動物の中でも特に好き嫌いが少ないことで知られています。

実はすごい小型動物の繁殖と摂食戦略

このような急速な繁殖と柔軟な摂食の組み合わせは、大型哺乳類の中でもかなり珍しいなものです。

なぜ、このクマとクジラだけがこのような戦略をとることができたのかはよくわかっていません。

ザトウクジラやツキノワグマらは、笹を食べるパンダやゾウ、シャチ、トラなどの大型動物よりも、もともと柔軟性が高いのかもしれません。それとも他の大型動物よりも進化が早いのかもしれません。

実のところ、小動物の多くが、この「繁殖」と「摂食」の2つの戦略を取っており、それはうまく機能しています。

特に人間の時代(過去52000年の間)には、大型哺乳類の半数以上が絶滅したのに対し、小型哺乳類はわずか5%しか絶滅した種はいません。

残りの大型の3分の2以上が脅威にさらされているのに対し、小動物は5分の1にすぎません。

ザトウクジラとアメリカグマの個体数は衰える気配がない

小動物の戦略を採用したことも功を奏したせいか、他の大型鯨類は捕鯨時代からの回復が遅れていますが、ザトウクジラは過去50年間で4倍に増え、科学者は数十年後には捕鯨以前の数を超えると予測しています。

また、ほとんどのクマの種がいまだに絶滅の危機に瀕していますが、アメリカグマは現在、かつてないほど増えています。

そして、その個体数の増加は、すぐには衰える気配がありません。

考えてみれば、どちらの種も小さな行動で大きな成果を上げているのです。