なぜ宇宙は黒く見えるのか?

キッズサイエンス

宇宙空間はなぜ暗く、黒色に見えるのでしょうか?

その主な理由は、宇宙が膨張しているためだと考えられています。

太陽は、たくさんの量の光を放つ巨大な星です。

しかし、太陽のような明るい光源をもつ恒星をはじめ、宇宙には数えきれないほど多くの星があり、何十億もの銀河があります。

星がたくさんあるのなら、宇宙は明るく照らされて、黒くも暗くもないはずですよね。

ではなぜ宇宙は黒くみえるのでしょうか?以下に見ていきましょう。

宇宙が膨張しているから

研究によると、宇宙が膨張しているため、宇宙空間は真っ黒に見えるようです。

宇宙は、光速よりも速いスピードで拡大しているといわれ、この膨張によって、はるか彼方から星が放つ可視光線は伸びてしまい、私たちの目には見えなくなくなります。

基本的に、星(光源)から遠ざかると、その光の波長は長くなり、赤色っぽくなっていき、マイクロ波、電波などに変わる可能性があるからです。それらの光は私たちの目では検出できません(ドップラー効果)。

私たちの目は、可視光線として感知できないので、空間が黒く見えるという理由です。

光の速度では遠くの光が届いていないから

さらに、光には速度制限があるので、はるか彼方の星からの光は私たちにまだ届いていないため、宇宙空間は黒く見えるのです。

宇宙の果ては無限ではありません。もし宇宙の年齢が無限であれば、すべての星からの光が合わさって太陽の光の届かない夜でも空全体が明るくなるはずですね。

しかし、宇宙は、およそ150億年前、いわゆる宇宙のはじまりとされる大爆発「ビッグバン」によってはじまりました。

つまり、私たちが見ることができる限界は、光が150億年かけて進むことができる距離のものまでで、それより遠い星の光は、まだ私たちに届いていないのです。

宇宙空間には空気がないから

宇宙は粒子が極めて少なく、ほぼ真空状態なので、光を散乱させる大気がありません。

地球の空が青いのは、大気中の空気分子が、太陽から放たれるさまざまな波長の光を四方八方に散乱させているからです。

空気分子がない場合、光は散乱することなく、一直線に進みます。

たとえば、太陽が放つ光は全てそろって一直線に進み、真っ白な光となって目に入るだけで、光を散乱させて私たちの目に届くようなものはないので、月から見える太陽は白く、空は黒く見えるのです。

この宇宙が暗い理由は、長年物理学者や天文学者を悩ませてきたことで、現段階では上記のような理由で説明できると考えられています。

参照元:why is space black