ヘビは、年に4回から12回程度、ウロコ状になった表皮を剥がします。
これは「脱皮」と呼ばれ、体の成長のため、または、古い皮を新しくするために死ぬまで繰り返されます。
私たちが毎日何百万もの皮膚細胞(あか)を「脱皮」するのと同じようなものですが、ヘビの皮は、目の膜ごとウロコと一緒に一枚につながって剥がれるのです。
以下に、ヘビの皮の仕組みをもとに、ヘビが脱皮する理由を見ていきましょう。
ヘビが脱皮する理由
魚の場合、体が大きくなると生きた細胞からなるウロコも一緒に成長しますが、ヘビの表皮(皮膚の外側の層)は、成長とともに大きくなることはありません。
そのため、体のさらなる成長を可能にするために、ヘビは、小さくなった服を脱ぐように表皮を脱皮する必要があるのです。
これに加えて、脱皮は、表皮に存在する寄生虫を取り除くのにも役立ちます。
では、ヘビは新しい表皮をどのようにして得るのでしょうか?
ヘビの皮の仕組み
ヘビの皮は、這って移動するときの地面との摩擦を減らし、乾燥や怪我から身を守る役割があります。
表面の「表皮」とその下の「真皮」からなりますが、脱皮では硬いタンパク質で角質化した表皮が脱ぎ落されます。
脱皮のプロセス
脱皮する前に、ヘビは古い表皮の下に新しい表皮を生やし、古い表皮と新しい表皮の間に液体を分泌します。
この液体は、古い表皮と新しい表皮を分離するのに役立ちます。
これが終わると、脱皮のプロセスが始まります。
古い表皮を取り除くために、ヘビは頭を硬いものにこすりつけ始めます。口元や鼻のあたりで裂け目を作り、硬いものに押し付けるようにして体を引きずります。
そして、ゆっくりと古い表皮をはがします。このプロセスは数日から2週間ほどかかり、後には、古い皮が裏返したままの状態で残されます。
魚とは違ってヘビの皮は、ウロコと一体化しているので、ウロコごと表皮は剥がれ落ちます。
また、ヘビにはまぶたがないので、スペクタクルと呼ばれる透明なウロコの膜で目を保護していますが、この目の膜も一緒に脱皮します。
脱皮は、ヘビの健康シグナルでもあり、栄養が足りていなかったり、身体の調子が悪かったりすると、脱皮の頻度は減り、抜け殻ももろくなります。