なぜ重い物ほど速く落ちるのか?

重力加速度と万有引力の法則キッズサイエンス

さて、「羽毛 vs ハンマー」上から落とすとどちらが先に地上に到達するでしょう?

実は、ガリレオ(重力加速度)とニュートン(万有引力の原則)によると、物体が重かろうが軽かろうが、すべての物体は地球に向かって同じ速度で加速します。

つまり、すべての物体は同じ速度で落下し、同時に着地するはずです。

しかし、羽毛とハンマーを手に取って実際に試してみると、ハンマーの方が速く着地します。

なぜこのような結果になったのでしょうか?以下に分かりやすく紹介します。

重さとは「力の大きさ」

地球上の物体はすべて、地球の中心にむかって引力で引っ張られます。

その地球が物体を引っ張る力を「重力」と呼び、その物体にかかる重力の大きさが「重量」。

マメ知識:重力に関係なく、物体そのものの量を「質量」といいます。

物体の落下スピードに重さは関係ない

ガリレオは、ピサの斜塔から重さの異なる物体を落とすと地面に同時に着地すること、つまり、物体が重かろうが軽かろうが、質量に関係なく落下速度は同じ等加速度運動)であることを発見します。

しかし、これには条件があります。

静止した状態から物体が(空気抵抗や摩擦、手で力を加えるといった)重力以外の影響を受けずに落下すること。つまり「自由落下」です。

そして、それを真空実験で実際に示したのが科学者のロバート・ボイルでした。

彼は、大きなガラス瓶の中に羽とコインを入れ、そこからすべての空気を取り除いて真空状態にしました。

すると、同じ高さから、静止状態(同じ初速度)で落下した「羽 vs コイン」は同時に着地。

このときの地球の重力による落下の加速度は、約9.8メートル(毎秒毎秒)であることも分かっています。つまり、速度が0から、1秒ごとに9.8m/sずつという一定の割合で加速していくのです。

これが重力加速度の大きさと呼ばれるもので、物体が万有引力によって地球から受ける力によるものだと考えたのがニュートンでした。

「羽 vs コイン」の落下と空気抵抗

しかし、地球上では、物体の落下速度は表面積空気抵抗に依存するため、「羽 vs コイン」では、このようなことは起こりません。

物体の落下スピードと空気抵抗

羽はコインに比べて表面積が大きいため、より多くの空気が羽に接触し、より大きな空気抵抗を受けるため、羽はコインよりもゆっくりと落下するのです。

ちなみに、ガリレオについての創作話では、ピサの斜塔で使ったとされる物体は、空気抵抗の影響を感じさせない程重い金属の球でした。

参照元:Why do heavier objects fall faster?

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