音の速さは一定であるかのように感じますが、実際には、環境に依存します。
それは音速の性質によるものです。
音は、冷たい空気では遠くまで伝わりますが、温かい空気の方が速く伝わります。
さらには、気体よりも液体、液体よりも固体の中で音速はスピードアップします。
以下に、音の速さの仕組みについて、温度によって変化する理由を中心に分かりやすく紹介します。
温度が高いほど音速がスピードアップする理由
「90dBよりも120dBの方が音が小さいのはどんな時か?」によると、音とは気圧の急激な変化でした。
夏は、冬よりも音の伝わる速度が速くなります。
媒体の温度が高いほど、音速は速くなり、逆もまたしかり。
まず、ここでいう媒体は、「空気」の話です。
たとえば、夏になると空気の温度が上がります。
そして、より高い温度下では、空気分子はより多くの運動エネルギーを持っています。
したがって、空気分子はより速く振動し、それが音速をスピードアップさせるのです。
一方で、冬になると、空気の温度は下がります。
温度が低下すると、分子の運動エネルギーも減少していき、あまり空気分子が振動しなくなるため、その結果、冬の間は、音速が低下するのです。
そして、音波は、隣接する分子間の運動エネルギーの伝達をともなうものなので、分子が互いに近いほど音は伝わりやすくなります。
したがって、空気中(気体)よりも、水中(液体)の方が約5倍の速さで伝わり、さらには、水中よりも木(固体)の中の方がはるかに速く伝わるのです。