カッコウが他の巣に卵を産み、巣の持ち主の親鳥に子育てをたくす。
このよく知られる「托卵(たくらん)」と呼ばれる行為ですが、おそらくそれが実際にどのように行われるかを見ると驚かれるでしょう。
特に、
- カッコウが、卵を巣の持ち主、ヨーロッパヨシキリの卵と似たような模様に進化させた点
- 生まれたばかりの無力なヒナを本能で巣から落とす様子
- ヨーロッパヨシキリの親が、自分よりはるかに大きなサイズのカッコウのヒナに一生懸命エサを運ぶ様子
には、自然界の生存戦略における残酷さを実感させられます。
ここでは、カッコウの托卵の様子を実際に観察して追った動画を紹介します。
寄生の一種「カッコウの托卵」
これがカッコウの卵です。ヨーロッパヨシキリの卵と模様の特徴はとてもよく似ていますが、わずかに大きいサイズ。
1日経過して卵が孵化した巣に行くと、ヒナはなぜか2匹に。
卵は3個あったはずですが、カッコウのヒナが、エサを独り占めするために残りの2匹を落としてしまったようです。
孵化から1週間もすると、ヒナは親鳥と同じくらいの大きさになります。
巣に糞が無い理由
ここで、みなさんは鳥の巣に糞がないのを不思議に思ったことはありませんか?
実は、ヨーロッパヨシキリの親鳥は、カッコウのヒナから、「糞嚢(ふんのう)」と呼ばれる糞を包んだ膜を受け取り、捨てに行っていたのです。
私たちが赤ちゃんのオムツをかえるようなイメージで、親鳥は巣の中をきれいに保っています。
2週間も経つと、カッコウのヒナは、親鳥よりもはるかに大きく成長しています。
このように狡猾なカッコウが、他の鳥を騙して自分のヒナを世話させることで生き延びている様子は以下の動画で見ることができます。ぜひご覧ください。
This Egg is Nature's Greatest Scam