実は、雷が現在地からおよそ何キロ離れているかは、目と耳と簡単な計算だけで知ることができます。
雷の音は、1kmを移動するのに、約3秒必要です。
ゆえに、稲妻が光ってから雷が鳴るまでの時間(秒)を「3」で割るだけで距離(km)が出ます。
実は、雷の音「雷鳴」は、屋外にいる人に対して、いつ落ちてきてもおかしくない落雷圏内にいることを知らせ、避難すべき必要があることを教えてくれる警告音なのです。
以下に、雷の音が鳴る仕組みや雷との距離を知る方法について、光と音の速さの違いをもとに分かりやすく紹介します。
雷の音が鳴る仕組み
耳をつんざくような雷鳴は、稲妻によって発生する音で、雷が大気中を移動するときに発生し、15km先まで聞こえることもあります。
雷は、周りの空気を急速に加熱し、圧力を高めて膨張させます。空気の温度は、3万度に達することもあり、これは太陽表面の5倍もの温度に相当。
光った直後、空気は急速に冷えて収縮します。この急激な膨張と収縮による衝撃が、雷として聞く音波を発生させ、それが空気を振動させることで伝わって私たちの耳をつんざくような音として届くのです。
雷の音と光の速さの違い
遠くに雷が光ったにも関わらず、まだ雷鳴を耳にしていない場合でも、実際には光と音は同時に発生しています。
しかし、光は音よりも伝わるスピードがはるかに速いので、遠くでピカっと光った後、ドーンという雷の音は遅れてやってくるのです。
実は、この目と耳で感じる雷の時間差こそが、雷がどれくらい近づいているかを知る手がかりとなります。
雷との距離の計算方法
たとえば、雷が光って、3秒後に雷鳴が聞こえた場合、雷までの距離は約1km。
音(音波)の速さは、1秒間に約340m進むため、340mx3秒という計算です。ちなみに光(電磁波)は1秒間に30万km進みます。
雷は、通常、空気中を何kmも移動して、地上の1点に落ちます。
もし雷気づいたらすぐに、音が鳴るまでの秒数を数えてください。
あなたが雷雲の真ん中にいないことを願いますが、雷鳴が聞こえた時点で、落雷の直撃距離内にいる可能性があるため、次の稲妻に打たれないように注意してください。
一般的に、雷が鳴ると安全な場所はないため、「30-30ルール」を覚えておいてください。
まず、雷が光ってから鳴るまでの時間を数え、それが30秒以内であれば、危険域だと判断して屋内に避難します。
そして、雲にまだ電荷が残っている可能性があるため、最後の雷が鳴って30分経てから出るようにしましょう。