ニューヨーク・タイムズ誌のベストセラー「The Lion in the Living Room」の著者であるアビゲール・タッカーさんは、取材でアフリカを訪れた際に、
「ライオンについて一日中学ぶことができるなんて、何という幸運でしょう」とあまりの嬉しさに感動。
すると、科学者から次のような答えが返ってきました。
「ライオンなんて、いつも寝ていて、ほとんど動かないから、世界で一番退屈な生き物だよ」。
これを聞いて、タッカーさんは「うちのネコと同じじゃないか」と思ったそうです。
たしかにネコは異常なほどよく眠ります。なかには、一日に12時間から16時間も寝て過ごすネコもいるほどです。
それもそのはず、ネコは、ライオンと同じネコ科の捕食動物だからです。
ここでは、ネコがいつもゴロゴロと寝てばかりいる理由について、アビゲール・タッカーさんが、彼らの狩りのやり方との関連性をもとに解説したものを分かりやすく紹介します。
ネコがよく寝る理由
ネコは、草を求めていつも動き回っている動物ではありません。
彼らは、狩りをする動物です。捕食者として、ときには、自分の体よりも大きな獲物を捕らえることもあります。
しかし、持久力はなく、獲物を追いかけて長い距離を走ることはできないため、狩りでは、物陰に隠れて獲物が近づくのを待ったり、自ら獲物の近距離まで静かに近づいていく必要があります。
そして、獲物に可能な限り詰め寄ったら一気に襲い掛かり、捕まえて食べます。食事にありつけた後は、エネルギーの浪費を控えるために、眠って過ごします。
このように、ネコは、野生のライオンと同様、本能的に狩りをする習性があるため、狩りをする以外は寝て体力を温存しているようです。
怠け者のネコにも例外はいる
ネコはみんな怠け者というわけではなく、子猫だけは別です。
なぜなら、子猫は、まだ狩りのやり方を学んでいるまっ最中だからです。そうして、1歳になる頃には、獲物の獲り方や仕留め方、食べ方を習得します。
狩りのやり方を学ぶことができたら、親ネコのようにゆっくりと体を休ませるようになります。