バタ足に必要な5つのポイントとは?バタ足の基本的な練習方法

水泳教室

バタ足を素早く、効率よく行うための姿勢や膝、つま先の注意点をはじめ、動かし方のコツなど重要な5つのポイントや基本的な練習方法を紹介します。

バタ足は、背泳ぎとクロールの推進力を上げる重要な要素です。バタ足の効率が悪いと、足や体が沈んでしまい、どうしても泳ぎが安定しなくなるのでぜひ役立ててください。

オランダ人のオリンピックの水泳メダリストJohan Kenkhuis氏が創設した「SwimGym」では、すべての水泳選手がどこにいても「プロのようにトレーニング」できるような体験を提供するために水泳の練習方法を提供しています。

バタ足を正しく行うことは、体のバランスを取るという重要な役割があります。

上下幅の大きなバタ足よりも、小刻みに素速くバタ足をする方が、お尻も沈みにくく、体のバランスが安定するため、スピードアップにつながるのです。

以下を参考に、まずは基本練習を行ってみてください。

バタ足の5つのポイント

1. バタ足は、お尻から動かすこと。

それによって、膝から下のみのキック力に頼らず、お尻から動かすことによって、脚全体で効率的に水を蹴ることができます。

2. 膝を曲げすぎないこと

バタ足の膝が曲がりすぎていると、なかなか前に進まないため疲れやすくなり、クロールや背泳ぎの効率が落ちます。

足の裏全体が水面から出るようなら、膝が曲がりすぎていたり、動きにムダのある大きなバタ足になっている可能性があります。

膝の伸ばし方については、膝を適度に曲げてスナップを利かせるコツで詳しく紹介しているので参考にしてください。

3. つま先を伸ばす

バタ足でキックした時につま先まで伸ばすと、一直線のストリームラインができるので、水中でスピードがでやすくなります。

バタ足では、足首を柔軟にし、つま先に意識を集中させるのがコツです。

4. 小さな動きで速く動かす

小さな動きで速く動かす細かい泡によって水が白くなるくらいまで、足を小刻みに素早く動かしましょう。

練習方法:クロールのバタ足の上下幅を狭める練習

5. 伸ばした時の足の裏は水面

胴から太ももまでが、水面近くで一直線になるように意識して泳ぎましょう。足の裏が水面から見えない場合は、お尻と足が沈んでいる可能性があります。

逆に足が完全に水面から出ている場合は、膝が曲がっていたり、キックの幅が大きすぎる可能性があります。

基本的な練習方法

上記のポイントに注意して、バタ足の練習を行いましょう。

step1 壁を持ってバタ足をする

両手で壁を持ち、頭を下げて、体が一直線になるように水面でバタ足をします。この時、白い泡が出るように、速いバタ足を心がけてください。

息が苦しくなったら、顔を上げて息継ぎをし、また水中につけます。

step2 両手でビート板を持ってバタ足をする

腕を伸ばして両手でビート板を持ってバタ足で前進します。

頭は上げたままでも下げてもよいのですが、上げたまま泳ぐ時は、お尻や足が下がりやすいので、水面に浮かせるためにバタ足を少し強くける必要があります。

頭を上げたまま泳ぐことは、姿勢が悪くなるかもしれませんが、息継ぎの必要なくなるため、よりバタ足に集中しやすくなるというメリットもあります。

step3 ストリームラインでバタ足をする

ビート板を持たずに、両手を前方で揃えて、または、片手のみを前方にまっすぐ出してバタ足で進みます。

今回のバタ足の練習方法を動画で確認する

Flutter Kick – How to kick during freestyle & the benefits of kicking

応用編

正面だけでなく、横向きでストリームラインの姿勢をつくってバタ足の練習をするのもおすすめです。

クロールのバタ足の上下幅を狭める練習

クロールのバタ足の上下幅を狭め、素早く小刻みに動かすことで、体のバランスを安定させ、推進力が生まれます。

・ バンドで固定

両方の太ももが動かないように、膝のすぐ上をバンドで固定します。ゆるすぎると、泳ぐうちに上にずれるのでたるまないように調整してください。

・ プルブイ

太ももにプルブイを挟む

2つの道具がある場合は、プルブイを挟んだ上から、バンドで固定して泳ぐとプルブイやバンドが動きにくいのでおすすめです。

これらの2つの道具の使い方は一通りではなく、使う場所を変えることによって、おなかのバランスの取り方を意識したり、異なる足の部位の動きに集中することができるようになります。

バタ足の役割

タイミングの良いキックは、体のバランスを取り、姿勢を維持するための動きを提供します。リズムとパワーによっては、 一定の推進力を生み、スピードを上げることができます。

ぜひ正しいバタ足のテクニックを身に着けて、適切に筋肉を強化するように心がけましょう。

一言でバタ足のトレーニングといっても、さまざまなバリエーションがあります。

いつも同じではなく、課題に合わせて新しい練習を取り入れたり、トレーニングメニューの組み合わせを変えることの積み重ねで、足に適切な筋肉がつき、正しいバタ足の感覚に慣れることができます。

そうなると、強いキックによって、驚くほど水中を滑らかに楽に移動できるようになるので、これからもプロによるバラエティー豊富な練習方法をどんどん紹介していきますね。

子供にバタ足で膝を曲げないことを教えるテクニック

子供に膝を伸ばしてバタ足はするんだよと教えてもなかなか実行するのは難しいものです。そこで役立つのが、例えを使った教え方です。

例えば、膝を曲げないで、つま先までピーンと伸ばす練習の時は、バレリーナを例にあげてマネさせることで、バタ足とバレリーナのつま先のイメージが結びつき、子供がより理解しやすくなります。

子供がバタ足をマスターするための水泳での遊び方

黄色と緑と赤の信号の色を使って、遊びの中で正しいバタ足を学ぶことができる工夫を紹介します。

赤は、バタ足止めの合図、黄色は膝を伸ばしてバレリーナのようにつま先足をまっすぐ伸ばす合図、そして、緑は速くする合図です。

旗を使ったり、口で色を声に出して子供に伝え、指示に従って行わせます。

子供には、始めから水の中でバタ足の練習をするのではなく、プールサイドの段を利用したり、やわらかい棒の浮きなど、ユニークな道具を利用したりして、楽しみながら水と触れ合うことができればいいですね。