サンゴを食べて島をつくる魚「カンムリブダイ」

動物・植物・生き物

「カンムリブダイ」という魚は、古くなったサンゴ礁を食べて細かい砂に変え、その行為によって島を形成します。

彼らのあごは非常に強力で、板のような歯でゴツゴツとした岩を噛み砕くことができるのです。

以下、BBC EARTHよるカンムリブダイ(英語名:Humphead Parrotfish)の迫力ある食事風景や排泄物が島を形成していく様子を映像で紹介します。

カンムリブダイの生態

Feeding Humphead Parrotfish | Blue Planet | BBC Earth

冠のように大きく突き出た額が特徴的なカンムリブダイは、体長1メートル以上にもなる大型魚。

見た目はコブダイに似た魚で、群れを作って生活しています。

さて、彼らがエサを求めて海底まで潜ると、サンゴ礁たちは脅威にさらされます。

カンムリブダイは、エサとなるポリプや藻を生きたサンゴや岩ごと無差別にかじるのです。

たしかに、これらの捕食行為は、サンゴ礁の浸食に大きな影響を与えています。

しかし、1分過ぎからの映像を見てください。

島を形成するカンムリブダイ

カンムリブダイが通った後に、砂嵐のように海中を白い砂が舞っているのが分かりますね。

彼らは、飲み込んだ岩やサンゴの石灰質を、細かい砂として排泄しているのです。

この砂は、1つのサンゴ礁で、毎年何トンも排出されています。

そして、この細かくて柔らかい砂は、とても魅力的な熱帯のビーチを形成しています。

長い年月をかけて、砂が積み重なると島が形成されます。

やがて、カンムリブダイが形成した島に、木や植物が根を張り、鳥や動物がやってきて定住するのです。

そして、ここにすむことを選んだ数千羽の海鳥や生き物のフンが体積した「グアノ」が肥料や資源となり、砂地をより豊かにし、より多くの植物を育てていきます。