タイム誌(TIME)が過去35年間に起きた17件の飛行機事故のデータを分析した結果、その統計結果が判明。
それは、前方より後方の席の方が生存率が高く、通路側よりも中央の席の方が衝撃を受けにくいというものでした。
おそらく飛行機で最も安全な座席は、ファーストクラスのある前方の席、または、非常口に素早くアクセスできる通路側の席だと思っていた人は意外だったかもしれません。
もちろん飛行機は、車、バイク、歩行など他の移動手段に比べても段違いに安全であることには変わりません。
それを踏まえたうえで、統計的に飛行機で安全を確保しやすい座席という視点で以下に紹介します。
飛行機は最も死亡事故が少ない
繰り返しますが、飛行機旅行は最も安全な交通手段のひとつです。
2012年から2016年の間に民間航空機の墜落事故で死亡する確率は33億7000万分の1という驚異的なものです。
これは、宝くじにあたる確率よりも、雷に打たれる確率よりも低い値。
にもかかわらず、北米では、約3人に1人が飛行機を怖いと感じており、多くの人が事故に備えて最も安全な座席はどこなのかを知りたがっているといわれています。
そこで、タイム誌は、連邦航空局のCSRTG航空機事故データベースを調べ、死亡者と生存者の両方がいる17件の事故を分析しました。
生存率が高いのは機体後方の中央の座席
タイム誌によると、過去の事故データから、飛行機を前、中央、後ろの3等分で考えたところ、後方3分の1の席の生存率は平均68%で、前方席の生存率は62%、中央席の生存率は61%でした。
列を見ると、飛行機の後方に位置する中央の座席は、不時着時に72%と最も生存率が高かったと示されています。
さらに、それぞれの座席のリスクも考えてみましょう。
座席と列ごとのリスク
中央部は揺れの影響は受けづらいかもしれませんが、飛行機のエンジンが翼の下あるため、すぐそばの燃料タンクから引火した場合にはリスクが高くなります。
実際に、タイム誌のデータでは、機体中央3分の1のなかでも、通路側は生存率が56%と最も低かったようです。
エンジンから遠い前方のファーストクラス席は、エンジントラブルの影響は受けにくいかもしれませんが、追突や急降下での衝撃を受けやすくなります。
飛行機で安全を確保するには
ただし、これらは、分析可能な座席表がある事故に限ったもので全ての事故を想定したものではありません。
さらに、エンジントラブルであったり、機体が衝突したりと、事故を取り巻く状況によって座席の安全性は異なります。
そのため、航空機の尾翼から衝撃を受けた場合は、前方や中央の方が生存率は上がるかもしれません。
実際に、いくつかの事故で生存者が不規則に散らばっていることも確認されています。
連邦航空局(FAA)をはじめとする航空安全の専門家が、飛行機には特定の安全な座席はないと言うのはこうした理由からです。
また、連邦航空局が指摘するように、飛行機で安全を確保したいなら、フライトアテンダントの指示に耳を傾けることが何よりも大切であることは覚えておきましょう。
参照元:
・Flight Secrets That Are Never Told To Passengers
・・This Is the Safest Place to Sit on a Plane