人は、お腹が空くとお腹が鳴るだけでなく、不機嫌になったり、怒りっぽくなったりします。
実は、これはさまざまな研究で証明されています。
以下に、お腹が空くと体の中でどんな変化が起こり、思考や感じ方、行動を変えていくのかについてみていきましょう。
空腹時の体の変化
空腹による怒りはさまざまな理由で引き起こされると考えられています。
私たちが食べ物を食べると、そのほとんどがブドウ糖と呼ばれるエネルギー源に変換されます。
このブドウ糖は血液に吸収された後、体中の細胞に運ばれます。
実は、脳がエネルギー源として利用できるのはブドウ糖だけで、特に脳にたくさん存在します。
そのため、もし血糖値が低下した場合、私たちの脳はそれが差し迫った生命の脅威として認識します。
これらの状況は、ストレスとなるため、私たちはがまんができずイライラし始め、最終的には怒りにつながるのです。
これに加えて、脳は、エネルギーレベルが低いとき、空腹感を引き起こす神経ペプチドYと呼ばれる脳内化学物質を生成して、「何かを食べなければいけない」と食欲を促そうとします。
しかし、この神経ペプチドは、攻撃性を促進する化学物質と同じです。
つまり、単に食欲を増進させるだけでなく、攻撃性にも強い影響を及ぼすのです。
これまでの研究において、空腹は、怒りだけでなく、悲しみや自尊心を低下させる脳内の中枢にも影響を与えるため、ネガティブな考えになりやすいことも示されています。
このように空腹感は、世界の感じ方を変えるほど、脳回路に強い影響を与えてしまう可能性があるため、定期的に脳にエネルギーを補給することを忘れないようにしましょう。