南極大陸は誰のもの?公式な旗はあるのか?

身近なふしぎ

南極大陸は、地球上で最も気温の低い大陸であり、最も複雑な主張がなされている大陸です。

これまでたくさんの国が領有権を主張してきましたが、南極大陸は、どの国にも所有されない唯一の大陸(南極条約)なのです。

まず、南極大陸を統一するような公式の旗はありません。

あれ?私は、これが南極大陸の旗だと思っていたわ?

実は、この旗は南極大陸に関連したものですが、公式な旗ではなく、注意しなければならない点がいくつかあります。

さっそく以下に、南極大陸の旗についてみていきましょう。

南極大陸には公式な旗はない

まず、南極大陸は、公式な国ではないため、公式な旗はありません。

たしかに、この地球で一番大きな氷の塊、大陸の98%を覆う「氷床」に人は住み、そこに複数の国が研究基地を構えていますが、全員を束ねるような新しい旗はないのです。

したがって、正式な南極市民はいません。

南極大陸は、1820年に初めて発見されて以降、19世紀までは無人の大陸でした。

20世紀に入ると世界中の国々が領有権を主張し始め、南極大陸に国旗を掲げようと試み始めますが、1959年の南極条約によって、「どの国にも属さない世界唯一の大陸」とされました。

南極大陸では、どの国の領有権も認められていないのです。

1997年の南極大陸の旗

1997年までその状態が続きましたが、マルチメディアコーポレーションという会社がビデオゲーム「The 3D World Atlas」を開発したことで奇妙な展開がありました。

マルチメディアコーポレーションは、南極大陸の旗がないことに気付き、デザイナーに旗を描くよう指示しました。

そこでデザイナーが、ヒントを得たのは、この国際連合の旗でした。

そして、南極大陸も同様に、どの国の領土にも属さない中立性を示すために同じ色を借用したのです。

そうしてできたのがこの旗です。

このゲームを通じて、この旗のデザインは世界中の若いファンに「南極大陸の旗」としてデビューしました。

しかし、残念ながらそのデザインの起源は著作権の問題を引き起こします。

作成者は著作権を主張せず、旗は事実上パブリックドメイン(誰でも利用できる状態)であると述べましたが、企業がコンテンツを管理すると通常、そのコンテンツの著作権は企業のものになっています。

さらに、マルチメディアコーポレーションは倒産しました。

すると今では、問い合わせる相手がいないので、誰が著作権を主張できるかという問題になります。

そして、それを見つけるのはどれほど難しいことでしょうか?調べていくと、おそらく、ゲーム開発者で、アトラスの元の販売元であったE.Aになりそうですが、この話は謎に包まれたままでよさそうです。

2018年の南極大陸の旗

ついに、2018年、パブリックドメインで新しい南極大陸の旗が登場しました。

「雪と氷」の白から始まり、それに、1年のうち6か月間大陸を支配する「暗い空」が追加されます。

中央の山が隆起していますが、これは北極とは異なり、氷の下に実際の陸地があるためです。

そして、その山が影を落とし、南を指すコンパスのシンボルを形成しています。

みなさん、いつかこの珍しい旗を見つけたら、それは南極の旗だと覚えておいてくださいね。

参照元:The Coolest ””Country””’ Flag You Need To Know