みなさんは、自分の骨格がどれほど重要で、かっこよくて、力強いものか知っていますか?
骨は、あなたを支え、聴力を助け、血液を作るのに毎日忙しく働いています。
博物館の骨、人体模型の骨もなかなか迫力がありますが、生きている自分の骨格ほど恐ろしくパワフルなものはありません。
ここでは、人間の体を動かすのに必要な骨の働きについて、骨の種類をはじめ、それらの超特殊な仕事までとてもおもしろい仕組みを紹介します。
骨が力強い理由
まず、骨格の重要な働きのひとつは、体を支えることです。
たしかに強い筋肉はありますが、筋肉には骨組みが必要です。
骨格がなければ、あなたはゆるゆるになり、今のような体型にはなりませんし、ただ立っていることすらできません。
同様に、筋肉がなければ、骨格はただの骨の山になってしまいます。
筋肉を引き締めたり緩めたりすることで、はじめて骨を動かすことができるのです。
そのため、骨は体の他の部分の重さを支えるのに十分な硬さを持っています。
同時に、柔らかくふにゃふにゃした臓器を守る盾のような役割も果たしているのです。
たとえば、肋骨は肺と心臓を守る骨で、強く抱きしめられても、内臓が圧迫されないようになっています。
最大の骨・最小の骨
体の中で最も強い骨は、最も大きく、最も長く、最も重い骨でもあります。
大腿骨と呼ばれる、腰から膝にかけての骨で、身長の1/4くらいの長さがあります。
走ったり、ジャンプしたり、歩いたり、あるいはただ立っているだけでも、体の重さの多くが大腿骨にかかるからです。
では、あなたの体で一番小さな骨はどこだと思いますか?
最も小さい骨は、実は耳の中にあります。
この小さな骨は、馬に登る際の補助具「あぶみ」のような形をしていているため、あぶみ骨と呼ばれます。
あぶみ骨は、大人でも米粒ほどの大きさといわれる耳小骨の中にあり、約3mm程度しかありません。
しかし、この小さな骨には実はとても大きな仕事があります。
音が耳に入ると、この小さな骨が前後に動きます。そして、その振動を耳は音として拾い、耳の奥に伝えることができるのです。
つまり、この小さな骨がなければ、私たちの耳は聞こえません。
骨は生きている
さて、人間には何個の骨があると思いますか?
奇妙に聞こえるかもしれませんが、骨の数は年齢や人によります。
赤ちゃんが成長するにつれて、いくつかの骨は一緒に成長したり、融合したりして、1つの大きな骨になっていくのです。
たとえば、頭蓋骨。
硬い頭蓋骨は、最初は21個の別々の骨の集まりが融合したものであり、さらに1個の骨「顎の骨」は常に分離したままです。
そして完全に成長すると、融合した部分が信じられないほど強力な盾となり、大切な脳を守るのです。
骨格について、最後にもうひとつ楽しい事実があります。
骨は、生きているのです。
博物館や模型で見るような骨格は生きてないように思われがちですが、あなたの骨は生きた細胞でいっぱいです。
これらの細胞の中には、骨を成長させたり、骨が傷ついたときに修復したりする細胞もあります。
そして他にも、骨の奥深くの分厚いスポンジ状の層に隠れていて、とても特別な仕事をしている細胞があります。それは、血液を作る細胞です。
そうなのです。血液に含まれる成分のほとんどは、実は骨の中で作られています。
骨は生きているからこそ、成長できるのです。
骨が最も大きな動物・小さな動物
世界中を見渡すと、人間以外にも大きな骨の動物、小さな骨の動物、まったく骨のない動物も存在します。
地球上で最も大きな骨をもつ動物は、シロナガスクジラで、推定200トンにもおよぶといわれる地球上で最も重い動物です。
人間の一番大きな骨「大腸骨」が最も小さい動物は、おそらく2012年に発見された新種のカエル「パエドフリン・アマウンシス」でしょう。
そして、すべての骨の中で最小の耳石をもつのは、世界一小さい魚類「パエドキプリス・プロゲネティカ(Paedocypris progenetica)」かもしれません。
骨のない動物もいます。昆虫は、骨とは違う「外骨格」をもちます。水中にも、特に海にはサメをはじめ、クラゲ、イカやタコ、カニや貝、サンゴ(参照元:貝殻やサンゴの骨格は海水から作られるって知っていますか?)などどをはじめとする「無脊椎動物」と呼ばれる骨のない動物はたくさん存在します。
なかには、裏返しの骨格をもつ動物「カメ」もいますよ。