さて、あなたはストローの穴は何個だと思いますか?
両端に1つずつの合計「2つ」?それならドーナツやベーグルの穴は?
トンネルだっては見方によっては、入り口と出口の2つの穴とも見えますし、1つの長い穴として見ることもできますね。
なかには、そもそもストローに穴なんて無いという人や、ストローの穴は無限にあると言う人さえいます。
いったいストローの穴は1つなのか、2つなのか?
どうやらこれを明らかにするためには「シマウマは白か黒か」と同じように数学の力に頼る必要がありそうです。
実は、数学的な結論からいうと、以下のような理由からストローもベーグルもワッシャーも全て穴は一つとなります。
さっそく穴の数についてみていきましょう。
穴は無い説
そもそも、友人に「ストローに穴が開いている」というと、当たり前のように替えのストローを用意してくれるのが穴が無い証拠だという人や、ストローは単に曲がった円筒形のシート(平面)だからと主張する人もいます。
しかし、端と端を合わせて筒状のストローにしただけだとしても、穴の存在そのものまで否定できないのでこれはあまり成り立たないでしょう。
こうなると穴とは何か、穴の定義から考えていかなければなりません。
1つの穴説
オックスフォード英語辞典によると、穴は
コリンズ英語辞典でも、
と定義されています。
この定義をもとに考えると、中心となる1つの穴の柱、1つの開口部がつながっているとの考え方と一致します。
ストローの穴は2つ説
ストローは、円柱の形であり、その両端に2つの円がある。
2つの開口部、つまり、この2つの円が2つの穴を思わせることから、ストローの穴は、両端に物が入る穴と、物が出る穴が1つずつの合計「2つ」あると考える人は多いようです。
これは、おそらくストローの幅と長さの縦横比と、2つの開口部が離れていることが原因の要素でしょう。
しかし、穴のトポロジカル的(位相幾何学的)な定義から考えると、開口部を穴としては扱えないので、これは成り立ちません。
トポロジカル的(位相幾何学的)な穴とは
トポロジストにとっては、穴の定義は、物体が一点に収縮するのを妨げる構造を意味します。
ストローもドーナツも、図形を作る点の連続的位置関係からみると位相幾何学に等しいので「1つ」に見える場合が多いようです。
真ん中にある空洞が、一点に縮めることを防いでいるのです。
これは、ストローはつながっている1枚の素材であり、つまり、1つの長い穴だという考え方です。
この時点で、穴が1つしかないことが明らかになります。
「穴とは何か?」を考える時、あなたは、壁や地面に開いた穴のように埋められる可能性のある何か、または、何かが通過でき貫通した穴の2つが考えられますが、どうやらトポロジカル的(位相幾何学的)には、2番目の種類の穴だけになるようです。
ストローの穴の数の結論
数学的(トポロジカル的)には、ストローには円があり、固形でつながった区間(長さ)には穴がない。したがって、ストローの穴は1つである。つまり、ストローの両端に2つの円があるのではなく、同じ円なのです。